日本酒について
最近ではワイングラスで日本酒を楽しむなど、若い人たちにも飲まれるようになった日本酒ですが、一昔前までは「おじさんのお酒」のイメージと言われて若い人からは敬遠されてました。あまり日本酒に良いイメージが無い人に理由を聞くと「美味しい銘柄が無い」や「悪酔いする」など理由は様々。ただ、それは好みの銘柄に出会えてないだけで日本酒には様々な種類があります。日本酒は奥が深く和食はもちろんの事、様々な料理にも合う素敵なお酒です。食事に合わせて日本酒を楽しむのも食の幅が広がります。そこで今回は日本酒について学びましょう。
日本酒のグレードは3種類だけだった
日本酒のラベルを見ると「純米」や「吟醸」と様々な分類があります。以前はアルコール度数を基準とした「特急」・「一級」・「二級」と3段階で分類されてましたが、酒質とは一致していませんでした。しかし、酔うだけの酒から美味しく味わう酒と評価され始めた頃からこうした分類はおかしいとの指摘がマニアや業界団体からあり、現在の分類となりました。
製法
「純米」とはお米と麹だけで作られたお酒で、純米と記載がないものは「醸造アルコール(サトウキビなどを原料とした蒸留酒)」を日本酒を作る過程で添加されています。「アルコールを添加しているのは良くない」と避ける方もいますが、醸造アルコールを添加する事で、さらりとした酒質となり香りが良くなるといったメリットがあります。
精米歩合
お米の外側に近い部分に脂質やアミノ酸などを多く含んでおり、これらは旨みの元となる反面、雑味の原因となります。そこで、澄んだ酒質にするため、お米の外側を削るのが「精米」です。精米歩合とは精米した後に残った酒米をパーセントで表示したもの。精米歩合35%とは65%を削って残りの35%を原料にしたと言う意味。精米歩合を高くすると香り高くスッキリとした酒質になり、低くすると濃厚な味わいになります。
日本酒の分類
「普通酒」(庶民の味方)
醸造アルコールを加えたもので精米歩合に規定は無い。特定名称酒(以下八種類)に含まれない清酒は全て普通酒。酒税法の特定名称酒の条件を満たさないもの。
「本醸造」(スタンダードなお酒)
原料は米、米麹、水、醸造アルコールで精米歩合が70%以下。本造りや本仕込とも言う。スッキリした辛口になる傾向が多く、日本酒のスタンダードと言ってもよいタイプ。
「特別本醸造」(精米歩合と製法に注目)
本醸造と同じく原料は米・米麹・水・醸造アルコール。精米歩合が60%以下と本醸造より高い。酒造好適米を50%以上使用したものや特別な製法を使ったものも名乗る事ができる。
「純米酒」(米の旨みが楽しめる本格派)
醸造アルコールを加えておらず、米・麹・水だけで造った酒。精米歩合の条件は無い。米の旨みやコクがあり、そのどっしりした味わいから本格派の日本酒ファンに人気がある。
「特別純米酒」(純米酒をグレードアップ)
純米酒と同じく原料は米・米麹・水だけで造られるが、純米酒と異なり精米歩合が60%以下と規定がある。酒造好適米を50%以上使用したものや特別な製法を使ったものも名乗る事ができる。
「吟醸酒」(華やかな吟醸香が特徴)
原料は米、米麹、水、醸造アルコールで精米歩合が60%以下。低温でゆっくり時間をかけて発酵させる吟醸造り。軽快な飲み口で吟醸香と言うフルーティな香りが楽しめる。
「純米吟醸酒」(華やかな香りに綺麗な酒質)
原料は米・米麹・水だけで精米歩合は60%以下。低温で発酵させる吟醸造りで丁寧に造られる。華やかな吟醸香と綺麗な酒質が特徴。
「大吟醸酒」(香高くスッキリとした酒質)
原料は米、米麹、水、醸造アルコールで精米歩合が50%以下と米に磨きをかけており、吟醸造りを更に徹底している。より一層華やかな香りが立ち、澄んだ酒質が楽しめる。
「純米大吟醸」(穏やかな香りの最高峰の酒)
原料は米・米麹・水だけで精米歩合は50%以下。吟醸造りで丁寧に醸されている。醸造アルコールを使用した大吟醸酒より香は穏やかで優しい米の甘みが感じられる。
風味
「芳醇辛口」
清涼感のある風味が特徴で甘い果実や花のようなフルーティーな香りが特徴。大吟醸などの吟醸系が該当し、昨今流行っているのがこの華やかな香りの高いタイプ。白ワインに似ており洋食にも合う。
「淡麗辛口」
日本酒としては最も爽快な酒質と軽快でなめらかな味わいが楽しめる。すっきりとした飲みやすさが特徴。刺身や豆腐などあっさりした料理によく合うとされる。
「芳醇旨口」
濃厚で力強く、米のコクと旨みと生きた充実した風味が楽しめ、煮物や肉料理に大変良く合う。
「濃醇旨口」
お米の旨みやコクを感じるタイプ。純米系の日本酒が当てはまり、どっしりしており、魚料理や漬物などお米と一緒に食す料理に大変合う。
いかがでしたか?日本酒には様々な種類や分類がありますので、是非、次回の食事に併せて楽しんでみてはいかがでしょう?
Written by JAPAN GASTRONOMY AWARDS